計画研究A02 研究分担者
森 茂生(もり しげお)
大阪公立大学 工学研究科 物質化学生命系専攻 マテリアル工学分野
教授
専門分野
材料物性、電子顕微鏡学
関連する研究者
塚崎 裕文 大阪公立大学・特認准教授
中島 宏 大阪公立大学・特認准教授
研究内容(概要)
我々は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、充放電サイクルに伴う電極-電解質固体界面での化学組成変化や構造・組織変化を調べ、充放電特性の向上を目指しています。また、優れたイオン導電性を示す電池材料を開発するため、硫化物ガラス、酸化物固体電解質、金属硫化物系電極活物質等の結晶構造やアモルファス構造についても解析を行っています。例えば、硫化物ガラス電解質では、電子回折図形中にハローパターンが観察され、平均構造として非晶質状態です。しかし、高分解能TEM像中には、点線で示すように大きさ数 nmの微結晶がアモルファス母相中にランダムに分布している様子が観察されます(右図)。このように、硫化物ガラス電解質のガラス状態は均一な非晶質状態ではなく、ナノ結晶を含んだ不均一な非晶質状態であることが最近の研究で明らかになりました。固体電解質のイオン導電性には、このようなイオン伝導ナノ結晶のサイズ、繋がり方、およびその存在比率が大きく関係するため、これらを把握することは極めて重要です。
代表的な研究業績
- H. Nakajima et al.,
Journal of Power Sources, 511, 230444 (2021) https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2021.230444 - T. Ayama, et al.,
ACS Appl. Energy Mater. 4, 6290−6295 (2021). https://doi.org/10.1021/acsaem.1c01074 - H. Tsukasaki et al.,
Solid State Ionics 347, 115267 (2020). https://doi.org/10.1016/j.ssi.2020.115267
関連ウェブサイト
http://mori-lab.mtr.osakafu-u.ac.jp/
連絡先
mori -at- mtr.osakafu-u.ac.jp [-at-=@]