bars cross

計画研究A02 研究分担者

尾原 幸治(おはら こうじ)
島根大学 材料エネルギー学部
教授

専門分野

非晶質構造解析、放射光X線回折

関連する研究者

宇都野 太 出光興産株式会社・研究員
山田 大貴 産業技術総合研究所・博士研究員

研究内容(概要)

液体やガラスのような非晶質材料の乱れた構造とマクロな物性の相関性について解明するべく、放射光X線を用いた全散乱計測・二体分布関数(Pair Distribution Function, PDF)解析技術の開発を推進してきている。またPDF解析を用いた蓄電池研究として、硫化物ガラス構造の理解や、結晶化過程におけるガラス・結晶混相構造の分離、昇温速度違いの構造結晶化過程観察など、硫化物ガラス電解質の構造とイオン伝導の相関解明を進めてきた。特に、PDFの分離構造解析は、結晶とガラスの各々の局所構造変化、混在する結晶相の割合が抽出できるため、他様々な混在構造の理解を進めることが可能と考えられる。
蓄電固体界面では結晶格子の不整合による格子歪や非晶質状態が生じるが、このような力学的変調は有限サイズのイオンの輸送に影響を及ぼす。ここでは、X線全散乱・回折により、蓄電固体材料内における混相(結晶/非晶、非晶/非晶、結晶/結晶)の分離解析や、局所歪の分離・定量解析、未知相の抽出解析を行う。

SPring-8のX線全散乱・PDF解析装置

代表的な研究業績

  1. K. Ohara, S. Tominaka, H. Yamada, M. Takahashi, H. Yamaguchi, F. Utsuno, T. Umeki, A. Yao, K. Nakada, M. Takemoto, S. Hiroi, N. Tsuji, T. Wakihara,
    Journal of Synchrotron Radiation 26, 1627-1633 (2018). DOI: 10.1107/S1600577518011232
  2. S. Shiotani, K. Ohara, H. Tsukasaki, S. Mori, and R. Kanno,
    Scientific Reports 7, 6972 (2017). DOI: 10.1038/s41598-017-07086-y
  3. K. Ohara, A. Mitsui, M. Mori, Y. Onodera, S. Shiotani, Y. Koyama, Y. Orikasa, M. Murakami, K. Shimoda, K. Mori, T. Fukunaga, H. Arai, Y. Uchimoto, and Z. Ogumi,
    Scientific Reports 6, 21302 (2016). DOI: 10.1038/srep21302

関連ウェブサイト

http://rud.spring8.or.jp/member/0020758.html

連絡先

ohara -at- mat.shimane-u.ac.jp [-at-=@]

to top