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公募研究A02 研究代表者

伊藤 タカヒロ(いとう たかひろ)
Takahiro Ito

名古屋大学シンクロトロン光研究センター
准教授

専門分野

光電子分光、シンクロトロン光応用工学、固体物性、固体電解質

研究内容(概要)

電極/固体電解質界面で生じるイオン輸送・蓄積メカニズムを明らかにする上で、固体電解質・界面での電子状態は重要な情報を与える。研究代表者は、固体電解質単結晶における電子状態を放射光を用いた「角度分解光電子分光(ARPES)」を用いて調べることで、固体電解質の価電子帯バンド構造のギャップ端近傍におけるLi成分の存在や、光照射に伴いLiイオンが表面から拡散することを示唆するスペクトル変調が生じることこれまでに見出している。そこで本研究は、固体電解質におけるイオン伝導特性を担う「電子状態」を明らかにすることを目的とする。目的を実現するために、①イオン伝導度、異方性の観点からその特性が大きく異なる固体電解質単結晶における系統測定により、電子状態におけるLiのエネルギーと分布を決定づける。さらに、②Liイオン伝導に伴う電子状態変化を、電場印加型ARPES測定で直接観測することで明らかにする。本研究の実現により、固体電解質における高いイオン伝導度を実現する上で重要な相互作用を明らかにすることで、蓄電固体材料におけるLiイオンダイナミクスの理解をすすめることを目指す。

代表的な研究業績

  1. D. Pinek, T. Ito, K. Furuta, A. J. Bunningen, P. Fèvre, F. Bertran, and T. Ouisse, Physical Review B 104, 195118 (2021). https://doi.org/10.1103/PhysRevB.104.195118
  2. D. Pinek, T. Ito, K. Furuta, Y. Kim, M. Ikemoto, S. Ideta, K. Tanaka, M. Nakatake, P. Le Fèvre, F. Bertran, and T. Ouisse, Physical Review B 102, 075111 (2020). https://doi.org/10.1103/PhysRevB.102.075111
  3. T. Ito, D. Pinek, T. Fujita, M. Nakatake, S. Ideta, K. Tanaka, and T. Ouisse, Physical Review B 96, 195168 (2017). https://doi.org/10.1103/PhysRevB.96.195168

関連ウェブサイト

https://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100000087_ja.html

連絡先

ito.takahiro -at- material.nagoya-u.ac.jp [-at-=@]

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