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公募研究A04 研究代表者

ガラス状高分子イオン伝導体のダイナミクス解明と超イオン伝導化

畠山 歓(はたけやま かん)
東京工業大学 物質理工学院
助教

専門分野

機能性高分子、有機電気化学、マテリアルズ・インフォマティクス

関連する研究者

小柳津 研一 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科・教授

研究内容(概要)

本研究では、ガラス状高分子イオン伝導体のダイナミクス解明に取り組む。従来、ポリエチレンオキシド(PEO)やその誘導体とリチウム塩(LiX)の複合体が高分子イオン伝導材料として広く検討され、ゴム状態の高分子鎖の熱運動がイオン伝導の鍵と考えられてきた。一方、我々のグループは最近、分子運動性が制限されたガラス状態でも一部の電荷移動錯体化高分子が室温でも一定の伝導度を示すことを見いだした。従来型モデルでの輸送過程の説明は困難だが、一方で電解質のミクロ界面でのイオン解離や輸送の重要性が判明しつつある。各種分光法やシミュレーションによって、ガラス状伝導体の詳細な構造と輸送過程の解明を試みる。また、イオン伝導度の向上に向け、我々が最近開発した統計的手法を用いると共に、固体蓄電デバイスも試作し、高速での充放電に必要な因子を明らかにする。

従来主流のイオン伝導体(左)と、本研究で解析対象とする材料(右)の構造例

代表的な研究業績

  1. K. Hatakeyama-Sato, T. Tezuka, M. Umeki, K. Oyaizu,
    J. Am. Chem. Soc. 142, 3301-3305 (2020). DOI: 10.1021/jacs.9b11442.
  2. K. Sato, R. Ichinoi, R. Mizukami, T. Serikawa, Y. Sasaki,J. Lutkenhaus, H. Nishide, K. Oyaizu,
    J. Am. Chem. Soc. 140, 1049-1056 (2018). DOI: 10.1021/jacs.7b11272.
  3. K. Sato, T. Mizuma, H. Nishide, K. Oyaizu,
    J. Am. Chem. Soc. 139, 13600-13603 (2017). DOI: 10.1021/jacs.7b06879.

関連ウェブサイト

https://researchmap.jp/kan_hatakeyama

連絡先

hatakeyama.k.ac -at- m.titech.ac.jp [-at-=@] 

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