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公募研究A04 研究代表者

界面電場イオン動的制御による可逆結晶構造相転移とイオン-電子相関機能の開拓

神吉 輝夫(かんき てるお)
大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター
准教授

専門分野

イオントロニクス、薄膜材料、ナノ物性

関連する研究者

吉田 秀人 大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター・准教授

研究内容(概要)

本研究は、2016 年実験的に見出された新しい材料である絶縁体水素化二酸化バナジウム(HVO2)を活用し、低抵抗VO2 ⇔ 高抵抗HVO2 の構造相転移をゲート電圧により制御する新原理電界効果トランジスタを作製し、数百kHz 帯でのパルスゲート電界印可によりチャネル固体内のプロトン移動制御を利用し巨大抵抗変調を通じてイオン-電子相関の新機能物性を開拓することにある。イオン動作のトランジスタは、ゲート電界強度に対し、抵抗On/Off 比がアナログ変調する特徴を持ち、微細化によりイオン拡散距離の縮小・イオン数の減少により、現在のシリコントランジスタよりも超低消費電力での動作可能性を持ち、アナログメモリの特徴を活かした低消費電力新機能デバイスとしての利用が期待できる。また、学術面では、H2+Air 雰囲気下でのゲート電界印可による連続的なチャネル界面のケミカルポテンシャル変調は、新物質形成を探る手段でもあり、新たな水素化合物の探索場として活用する。界面イオン‐電子相関メカニズムを解明し、蓄電固体界面の学理構築の一役を担う。

代表的な研究業績

  1. K. Muraoka, T. Kanki,
    Sci. Rep. 32, 20093 (2019). DOI: 10.1038/s41598-019-56685-4
  2. Y. Tsuji, T. Kanki, Y. Murakami, H. Tanaka,
    Appl. Phys. Exp. 12, 011003 (2019). DOI: 10.7567/1882-0786/aafa9e
  3. M. Chikanari, T. Kanki, T. Wei, H. Tanaka,
    Appl. Phys. Lett. 113, 053102 (2019). DOI:10.1063/1.5042674

関連ウェブサイト

https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/bis/

連絡先

kanki -at- sanken.osaka-u.ac.jp [-at-=@]

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