第1期公募情報
第1期公募:令和2(2020)年度 (令和元(2019)年9月募集開始)
- 領域略称名:蓄電固体界面科学
- 領域番号:6107
- 設定期間:2019年度~2023年度
- 領域代表者:入山 恭寿
- 所属機関:名古屋大学工学研究科
研究項目 | 応募上限額(単年度あたり) | 採択目安件数 |
---|---|---|
A01 モデル界面構築 | 300万(実験系) 200万(理論系) |
16件 |
A02 高度計測 | ||
A03 計算・データ科学 | ||
A04 機能開拓 |
公募研究の位置付け
公募研究には、本新学術領域の目標である「蓄電固体界面科学」の学理構築を計画研究と共に積極的に推進する研究を期待しています。 計画研究がカバーしていない分野を補完する研究は勿論、計画研究が対象とする分野において新規なアプローチに挑戦する研究も歓迎します。また異分野からの斬新かつ学際的な提案も期待しています。
本新学術領域では、若手研究者育成も重要なミッションと位置づけており、若手研究者のキャリアアップに対するプログラムを準備しております。若手研究者の積極的な応募をお待ちしております。
公募研究者への研究支援体制
研究支援
- 共通試料の提供 (単結晶材料、薄膜材料など)
- SPring-8、J-PARC、文科省ナノテクプラットフォーム等の計測連携斡旋
- 多様な計算・データ科学アプローチとの連携斡旋・「富岳」利用連携
- 蓄電固体界面データベースの利用
- 共通設備の利用
人材育成支援
- 若手RA (修士以上の学生対象)
- 国内ラボ留学支援 (領域内研究室への1週間-1ヶ月程度の滞在支援)
- 国際ラボ留学支援 (国外連携機関への2-3ヶ月の滞在・共同研究支援)
- 海外武者修行支援 (国外連携機関への 2-3週間の現地訪問支援)
- 若手セミナー・勉強会への参加 (年2回程度開催)
公募説明会
公募内容に関する説明会を、関連学会期間中に学会会場内にて学会の了承のもと開催いたします。現在の予定は以下の通りです。詳細が決まり次第、情報更新致します。
- 9/1(日)-3(火) 固体イオニクスセミナー
- 9/5(木), 9/6(金) 2019年電気化学秋季大会(山梨大)
- 9/12(木) 日本物理学会2019年秋季大会インフォーマルミーティング(IM)(岐阜大)
領域10 格子欠陥・ナノ構造分科IM(B22会場) 17:00頃、領域9 表面・界面、結晶成長 IM(K15会場) 17:30頃、
計算物性物理 IM(K26会場) 18:00頃 - 9/17(火)「蓄電固体界面科学」第一回公開シンポジウム(名大・IB電子情報館、 13:00-17:10)
領域紹介と公募研究募集概要説明 13:00-13:30 - 9/18(水)-20(金) 第80回応用物理学会秋季学術講演会(北大)
インフォーマルミーティング 9/18(水) 17:00-18:00 会場C212 (参加自由) - 9/18(水)-20(金) 電気化学会関西支部・東海支部合同シンポジウム
公募研究の具体的なキーワード
- A01:
- 蓄電固体界面の形成法
例:低温での結晶性蓄電固体薄膜合成(CVD・プラズマ 等)
例:金属析出溶解反応場の設計
例:自己形成界面・界面制御法 - 蓄電固体界面のモデル材料
例:構造規制炭素薄膜
例:構造規制Si薄膜 - 蓄電固体界面の電子物性
例:蓄電固体界面を活用する超伝導・トランジスタ 等
例:半導体デバイスを応用した新規蓄電固体デバイス 等 - 蓄電固体材料の力学物性
例:応力と界面イオンダイナミクスの相関に関する基礎研究
例:応力を活用する蓄電固体デバイス
- 蓄電固体界面の形成法
- A02:
- イオン・電子ビーム等を用いる高度計測
例:X線・中性子線・電子線を用いる分析(XPS、反射率、準弾性散乱等)
例:イオンビームを用いる分析(ERD、RBS等)
例:その他の電磁波(紫外線、赤外線等)、粒子線等(ガンマ線、陽電子、ミューオン等)を用いる分析 - 蓄電固体界面分析
例:界面局所構造・微細構造・歪の分析
例:界面における反応相、相互拡散の分析
例:界面電子状態、化学状態の分析 - オペランド計測
例:電位、化学ポテンシャル、温度、雰囲気制御下での各種状態分析
例:高位置分解・高時間分解の計測 - 蓄電固体物性評価
例:蓄電固体材料の電気伝導特性(イオン伝導率、電子伝導率等)
例:蓄電固体界面の各種局所物性(誘電率、機械特性等)
- イオン・電子ビーム等を用いる高度計測
- A03:
- 界面理論
例:電気化学理論、半導体理論 - 古典分子動力学計算
例:力場作成(機械学習利用含む)、大規模力場MD - 非晶質系構造探索
- 欠陥・表面界面第一原理計算
- メソスケール計算
例:有限要素法 - 画像・グラフAI解析・AI記述子探索
- 界面理論
- A04:
- 蓄電固体複合界面材料
例:蓄電固体材料の界面構造の制御と新機能発現
例:蓄電固体材料の複合化と高機能化 - 蓄電固体材料と誘電体、絶縁体、半導体等との複合界面おける、電子・イオン輸送に由来した新機能発現
- ナノ粒子材料のドメインサイズ制御とその集積法
- 新規蓄電固体デバイス
例:高濃度イオン蓄積を活用する全固体キャパシタ
例:全固体電池、キャパシタ以外の蓄電固体材料を用いるデバイス
例:イオン輸送に伴う電気電導・磁性・熱電・誘電などの各種界面物性の制御(対象は無機材料・高分子材料・錯体系材料なども含む)
- 蓄電固体複合界面材料
公募要領(令和2(2020)年度科研費公募要領からの抜粋)
本研究領域は、固体内で電子・ホール以外にイオンが電荷キャリアーとなる材料(=蓄電固体材料)の界面(=蓄電固体界面)において、高速イオン輸送・高濃度イオン蓄積を自在に制御するための学理構築を目的とし、この知見を基に蓄電固体材料を用いた様々な蓄電固体デバイス(全固体電池、固体キャパシタ、電子・イオンデバイス等)へと応用展開することを目指している。本研究領域の計画研究は「A01:蓄電固体界面のモデル構築とその基礎物性評価」、「A02:蓄電固体界面の高度計測」、「A03:蓄電固体界面の計算・データ科学」、「A04:蓄電固体界面の機能開拓」で構成されている。研究項目A01では、単結晶・薄膜形成技術を活用して蓄電固体材料の構造規定モデル界面を構築し、その界面イオンダイナミクスの基礎特性を電気化学的手法などにより調べる。研究項目A02では、蓄電固体界面近傍における電位、イオン濃度、化学ポテンシャル、電子状態、構造、相状態などの変調・分布を、高度計測手法を駆使することで多角的に評価する。研究項目A03では、蓄電固体界面近傍のイオン及び電子の分布・ダイナミクス機構を、多階層スケール計算やインフォマティクス解析(機械学習及び画像・スペクトル解析)を組み合わせた理論的アプローチを用いて解明する。研究項目A04では、結晶・非晶質の蓄電固体界面を活用し、高イオン貯蔵、高速イオン伝導を可能とする新材料の創成を目指す。
公募研究は、蓄電固体界面を用いる新規蓄電固体デバイスに関する基礎・応用研究、蓄電固体界面の新規な計測・計算手法、及び界面の精密な形成手法やナノ粒子を用いる材料開発研究等を対象とし、計画研究と積極的に連携する提案や、若手研究者による独創的・挑戦的な提案を歓迎する。